【第3回】まーぶんの主催ライブに行ってモーニング娘。’14のツアーを思い出した。
1月16日。
まーぶんの主催ライブ「どろんこマイクフィフティーンナイトベイビー」(以下、D.F.B)に行ってきました。
D.F.Bでは、若手漫才師のまーぶんがM-1予選を勝ち進むべく、毎月15日に新ネタを4本おろしている。ネタだけではなく、トークに企画に見どころ満載のライブだ。
全12回のライブのうち、今回が3回目の開催。
昨年11月に行われた初回公演も観に来ていて、その回がとても良かったことを覚えている。
ふと、モーニング娘。のファンだったころを思い出した。
モーニング娘。と聞くと”ゴマキ”とか”なっち”が在籍していた黄金期を思い浮かべる人が多いけど、僕がファンだったのは「モーニング娘。’14」の頃だ。(モーニング娘。は2014年から毎年元日に名前をアップデートしている。現在はモーニング娘。’23)
モーニング娘。は毎年春と秋に全国ツアーを行っていて、初回(初日)とか「3回目」という響きで、当時の記憶が蘇った。座間とか行ってたな〜。
ツアーに何を求めるかは人それぞれだが、僕にとっての魅力は「メンバーの成長」だった。
「初日より声が伸びてるなぁ。すごく良い」
「あのパート、前回とアレンジ変えてる。良い」
当時は地元の青森に住んでいたので、初日、仙台公演、千秋楽と1ツアー3回くらいしか行っていなかった(強いオタクは北海道や九州など全国を飛び回る)が、それだけでも成長過程を十分楽しめた。
何を言いたいのかというと、僕は勝手にD.F.Bを「まーぶんのツアー」と思って観に来ています。
前回行った初回がとても良く、さらには個人的に新年1発目のお笑いライブ。
ものすごくワクワクした状態でラスタ池袋へ向かいました。
Contents
尊敬する先輩と同期と
18:00。ゲストと一緒に本番前の打ち合わせが行われた。
D.F.Bでは毎回3組のゲストを呼んでいるのだが、今回はなんとリニアさんが出演する。以前いろんな人が出てるライブで拝見したときには、終演後のアンケートに◎をつけた。とても面白くて印象に残っている芸人さんだ。
そんなリニアさんとどういう繋がりがあるのか、場当たり終わりでまーぶんに聞いてみた。
M-1予選の再エントリーのあの日、「頑張ろうな」と声をかけてくれました。その言葉にどれほど勇気をもらったか。それを今回お伝えしたいです。
リニアさんは僕らが出た予選の1位を獲って勝ち上がりました。とにかく面白くて、漫才師として物凄く尊敬しています。
そんな尊敬している大先輩を繋いでくれたのは、同期の仲良しコンビであるシマウマフックさんだそうで。
シマウマフックとは養成所からの同期です。同期だけどずっと僕らの前を走っていて、そんな2人をすごく尊敬しています。
ライブに対する姿勢やストイックな部分は、めちゃくちゃネズミさんに影響を受けてると思います。
あと、僕はしばらく芸人として活動してない時期に、二人の主催ライブを手伝っていました。
その時に「こんなにも差が開いてしまっているのか」と焦りを感じたことを覚えています。そのあたりから、尊敬の念が強くなりました。
今のぶんたがあるのもシマウマフックのおかげです。あの期間がなかったら芸人を辞めてると思ってるので。
尊敬する先輩や同期をお招きしてのライブ。ただ、今日はまーぶんの主催ライブだ。主役はおれたちだ。絶対に負けられない。みんなよりも笑いを取ってみせる。
普通にライブを主催するだけでも大変なはずだ。今回は特にプレッシャーが強かっただろう。自分たちの新ネタだってやらないといけない。やれどもやれども完成は見えない。
不安。緊張。焦り。開演時間ギリギリまでネタ合わせをして、自分たちを追い込んだ結果、ぶんたは明らかに”掛かって”いた。
※掛かる=競馬用語。テンションが上りすぎて本来の力が発揮できない状態。
カッコイイのに、カッコ悪い
19:30。ライブが始まった。
まーぶんが登場して客席から拍手が湧く。
が、すぐに慌てて袖に戻るぶんた。
トビラが、トビラを閉めないとうるさいかなと思って。
仲良い芸人が袖でゴチャゴチャ言ってると思うんですけど…ご了承ください!
よくわからないかしこまり方をするぶんた。見かねた早瀬が思わずツッコむ。
なんか緊張してる?
なんかね、第1回より緊張してる。
競馬の世界でも、掛かっている馬はスタートでよく出遅れる。
どんなに強い馬でも、スタートをミスるとまず勝てない。レースは0.1秒を競う厳しい世界だ。
思いっきり出遅れたぶんたを見て、会場にじんわりと緊張が広がった。これを巻き返すのはなかなか大変で、普段なら笑いが起こるやりとりをしても、ややウケ止まり。
「笑いは緊張と緩和」と聞くけれど、今日のこれは明らかに悪い緊張だったと思う。
ゲストもその空気を感じ取ったようで、「緊張しすぎ」「なんか変」としきりにぶんたをイジっていた。その甲斐むなしく、笑いが起きてもイマイチ乗りきらない。競馬もお笑いも、スタートが肝心なんだなと改めて思い知らされる。
そんな中、緊張してあたふたしているぶんたをリニア酒井さんが斬る。
「カッコイイのに、カッコ悪い」
この発言がめちゃくちゃウケた。
おそらく、こういった場面を何度も経験してきたのだろう。これが場数を踏んできた人のチカラ…!
この流れを逃すまいと、全員で畳み掛ける。
「舞台上だって思うから緊張するんだよ」
「普段の感じでやってみたら?」
「家!いま家にいる!」
「一旦寝てみ?」
(寝っ転がりながら)ちょっと時間押してるけど…まぁ説明すっか。
舞台上でくつろぎ落ち着きを取り戻したぶんたの発言に、会場が湧く。
これでもう安心だ。今日はじめて声を出して笑った。
追い込んでいるのか、追い込まれているのか。
オープニングが終わり、ネタのコーナーに移る。
D.F.Bは、まーぶん→ゲスト→中MCという流れを繰り返す構成となっている。
まーぶんがD.F.Bで披露するのはすべて新ネタ。「新ネタ4本」を毎月つくって披露することは、とても大変なことだ。開演ギリギリまでネタ合わせをしても間に合わない。なので、本番中もネタ合わせをしないと間に合わない。
ということで、中MCは基本的にゲストがトークする時間となっている。
そのトークでは、M-1予選の舞台袖で「頑張ろうな」と声をかけてまーぶんを勇気づけたリニア酒井さんのカッコいい話の後、しょうへいさんが間違って女子更衣室に入ろうとしてしまっていたことを暴露されていた。
ワタナベの養成所時代の同期であるシマウマフックのネズミさんは、同じく同期の四千頭身が載るマックのチラシを常に持ち歩いていて、いつかテレビの現場で会ったら渡そうと思っているそうだ。
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ゲストのトークコーナーはとても面白かったが、まーぶんの耳には入らない。わずかな時間も惜しんで新ネタの練習に追い込みをかけていた。
自分たちのネタが終わって楽屋に戻った瞬間から次のネタ合わせを始める。本当に、そうしないと間に合わないから。
追い込んでいるのか、追い込まれているのか。見えない戦いは続く。
お酒とモノボケはほどほどに
ネタが全部終わって企画のコーナーへ。
本日の企画は、大学生の飲み会に憧れるぶんた君(高卒)のために、それっぽいゲームをして大学生の飲み会を体験してもらおうという企画。
とはいえ本当にお酒を出すわけにはいかないので、ゲームで負けたらテーブルの上に置かれた物を渡されてモノボケをする流れ。
行うゲームは、特殊なルールの山手線ゲーム。
例えばお題が「果物」だったら、りんご→りんご、みかん→りんご、みかん、バナナといったように、前の人が言ったものを足していく。
暗記する量が増える難しさと、失敗したらモノボケする恐怖が良い緊張感を生んでいて、とっても楽しい企画でした!しまいには、罰ゲーム関係なく全員モノボケをする流れになり、「大学生のときも関係なく飲みだすヤツ、いたな〜」と懐かしくなった。
個人的に、モノボケだって言ってるのにバットを構えて「野球をする人」とボケた(ボケてない)しょうへいさんが好きでした。
次回のD.F.Bは必見です
冒頭こそ変な緊張感があって重く感じたけど、終わってみたらたくさん声を出して笑えて、とても楽しいライブでした。
池袋から帰って家に着くと、まーぶんのラジオが更新されていた。
「緊張してるとか言わないほうがいい」
「慌てるキャラを使いすぎ」
「ネタをつくったときのホクホク感が伝わりきらなかった」
「もっと尖ってもいいかも」
こんな感じで、今日出演したゲストを交えて大反省会が開かれていた。
この大反省会ラジオ、ライブに行った人も行ってない人にも聞いてほしい。表現が合ってるかわからないけど、それくらい面白いラジオでした。
>>『第三回目の大反省会』
冒頭のモーニング娘。の話に戻るけど、彼女たちもツアー中にたくさん失敗します。声の伸びが足りなかったり、ダンスが少し至らなかったり。それこそ、終演後の反省会で泣いてしまうくらい。それでも舞台に上がったら、そのとき持てる全力のパフォーマンスをファンに見せる。毎回全力でやっているからこそ、目に見えて成長していく。いやぁ、アイドルって素晴らしいですね!ちがう!アイドルの話をしたいんじゃない!
僕はこのD.F.Bを勝手に「まーぶんのツアー」だと思って観ています。
ラジオを聞く限り、今日のライブは失敗だったと彼らは思っているはず。
ただ、凹んだら膨れるしかないんですよ。
もっとどろんこにまみれてガムシャラにいくしかないんすよ。
勝手に断言しますが、次の2月15日に開催されるD.F.Bは必見です。
というか、成長した彼らの姿が見たいので僕はすでに予定を空けてあります。
彼らの成長と同時に、「どろんこマイクフィフティーンナイトベイビー」というライブがどう進化していくのか。
1ヶ月後が楽しみですね!
それでは来月、池袋でお会いしましょう〜
おまけ
ここがよかった!第3回D.F.B
・オープニングのMCで緊張しすぎているぶんた君がゲストから散々イジられてるところ。
・緊張をほぐすために寝ながらMCをしたら流暢にしゃべれるようになったところ。
・そこから生まれた「寝てると喋れるけど立つと緊張する」の流れ。
・リニアさんのネタ。キレツッコミが大好きなのでとにかく面白かった。もう1回観ても絶対笑う。
・マスターナンバーさんのツッコミの感じ。好き。
・シマウマフックさんのネタ。M-1の予選ネタ(ラップのやつ)しか観たことないけど、今回のようにヤカベさんの役割がたくさんある方が見応えあって好き。後半ずっと笑ってた。
・中MCのシマウマフックさん。あまり知らないからこそ、ヤカベさんが天然ノープランなのかネズミさんがガチ切れなのかわからずハラハラしながら笑えた。
・まーぶん4本目。役者顔負けの情熱的な早瀬の演技がとってもよかった。
ここがイマイチ…第3回D.F.B
・やけに緊張をアピールするぶんた。
・中MCのまーぶんBOXを使ったボケ。
・まーぶんのネタの入り。M-1決勝を本気で目指しているテイなら、「このネタが(自分が)つくったネタかな〜?」の遊びいらない。
勝手に提案!D.F.B
・ラジオで言ってた「定期的にベストネタを試す」は大賛成。
・どれが一番面白かったかアンケートに印つけてもらって、一番印が多かったネタを次のライブでもやる。それを繰り返して最強のネタを残す蠱毒システム。
おしまい