漫才の課題は『人(ニン)』第5回まーぶんの主催ライブに行ってきた。
3月15日。第5回まーぶん主催ライブ「どろんこマイクフィフティーンナイトベイビー(以下D.F.B)」に行ってきました。
11月にはじまって今回で5回目。もう5ヶ月経ったのか、早いですねー。今から5ヶ月後って言ったら季節は8月。M-1の1回戦が開催されるころですよ。
そんなM-1を勝ち進むべく、今日もまーぶんの二人は新ネタを4本おろします。
Contents
前回までのD.F.B
ここで簡単に、D.F.Bの仕様についておさらいしておきます。
<第3回まで>
・まーぶんが4本、ゲスト3組が1本ずつネタをする
・ネタ終了後はみんなで楽しくワイワイ企画
<第4回(前回)から>
・まーぶんが4本、ゲスト3組が1本ずつネタをする
・まーぶんのネタ終了後、ゲストによるアドバイスコーナー
前回から導入した「ゲストによるアドバイスコーナー」がとにかく濃くて、見てる側としては大満足でした。その様子はこちらの記事で紹介しているので、まだ見てないよーって方はお暇なときにどうぞ。
まーぶんについてゲストが語る
素敵なゲストが参加するのもD.F.Bの魅力のひとつ。というわけで、さっそくゲストの方々を紹介していきます。
まずは四天王さん。おふたりとも北海道出身で、ぶんたとは同郷の仲。話を聞いてても同郷のぶんたをかわいがってる様子が見えました。
四天王さんのインタビュー
ジェットとやる前に組んでた相方が、とものぼと養成所の同期だったから、存在自体は6年前くらいから知ってた。話すようになったのは、四天王がMCのライブにまーぶんが出るようになってからだから、2年前くらいかな。
“とものぶ”が明るそうだしキャラ漫才かなと思ったら、意外としっかりしてるんだよね。ネタに対してすごく真面目だし。
そうね、真面目。ネタに対してちゃんと考えてる。あと、僕らのネタの中でぶんちゃんが大好きなネタがあるみたいで、それをやってると必ず袖に来てめっちゃでかい声で笑うっていう(笑)。かわいいよね。
もう「北海道の後輩」ってだけで無条件にかわいいもん。
ストイックなライブがあるのはTwitterで知ってたんですよ。それでたまたまライブで一緒になった時に「呼んでくれたらいつでも出るよー」って言ったら、ほんとにすぐ呼ばれた(笑)。あとジェットはあれだよね、とものぼとは育毛友達だもんね。
そうね!そこから一気に仲良くなった。“とものぶ”ポエムのファンなんです!カレンダー持ってます!ポエム仲間です!
おまえ書いてねえだろ(笑)。あと、“とものぼ”だから。
あれ?間違ってた!
今回は、本人たちがストイックに漫才と向き合ってるって聞いたんで、僕たちも得意なコントじゃなくて漫才持ってきました。よろしくお願いします!
そんな四天王さんについて、予めまーぶんに印象や思い出を聞いてたので載せておきます。
ライブで一緒になったときは、ほぼ毎回後ろで見学させていただいております!たくやさんとは僕が1年目の頃からお話しさせていただく関係で、ジェットさんはカレンダーを買ってくださります!あと、育毛剤のお話もします!お二人ともいつも気さくにお話してくれるので大好きです!!
同じ北海道出身の先輩です!!卓也さんに以前お会いしたとき「新ネタライブやってるんでしょ?呼んでよ!」「いいんですか!!」と言う感じで決まって、すぐ来てくださいました。めちゃくちゃ面白くて、めちゃくちゃ優しいです。人としても芸人としても尊敬してます。自分もこんな先輩になりたいです。
ワンドールのインタビュー
続いてワンドール。彼らは同世代ユニットライブ「ときせまる」で一緒に活動するお仲間です。さっそく出会った頃の印象を聞いてみました。
ぶんたさんってカッコイイじゃないですか。すごく失礼な話なんですけど、あのテのタイプって「顔だけ」ってことありますよね?でも、お笑いに対してめっちゃストイックなんだなって「ときせまる」を一緒にやってすぐにわかりました。
常にネタの話をしてるイメージです。”明日新ネタライブだから時間がない”って話を、この1年よく聞いてました。
そう、ネタ合わせの量もすごいし、勢いもすごい。喧嘩してるんじゃないかってくらい激しくて。ホントに喧嘩してるときもありますけど(笑)。ボケツッコミを入れ替えたり、いろんな種類のネタをキャラに依存しないでやってて、漫才が好きなんだなっ伝わるので尊敬してます。
あと、とものぼさんは初めて会ったときからわたしの名前はもちろん、所属事務所も知ってくれてて。人のことをよく見る人なんだなって思いました。好きです。
ーーまさかの告白。アドバイスコーナーはもともと「ときせまる」でやってたんですよね?
そうですね。先輩芸人をお呼びしてアドバイスをもらってました。なので今回は後輩から言っていいのかなって思ってますが、呼ばれたからにはがんばります。
ーー毎回ゲストさんにインタビューしてるんですけど、ぶんたのエピソードが毎回弱いんですよ。なんか無いですか?
うーーーん…こんなに喋ってるけど、正直よく知らないです。ご飯とかも行ったことないからなぁ。
わたしは前にぶんたさんとポケモンで対戦する話があったんですけど、流れました。イケメンの逃げ方されましたね。とものぼさんは裏でよくポエムを書いてるので、こっそり盗撮してます。
なにしてんの。
独特な世界観をもつワンドールについても、事前にまーぶんに聞いてたので載せておきます。
「ときせまる」「ごきげんファンタジー」というユニットライブで一緒にやってるメンバーです!相模くんは会うとすぐに話しかけたくなります!ゆきんこちゃんもいつも会うと話しかけたくなります!二人ともいるだけ話しかけたくなるような魅力のある人たちです!
「ときせまる」からよく絡むようになった後輩です。先輩後輩関係なく、ネタに対して自分の熱や理論がある人の話を聞きたいと思って呼ばせていただきました。相模くんはめちゃくちゃお笑い詳しくて、そして熱を感じますね。よくいじったりいじられたりしてます。ゆきんこちゃんはいつも真面目で良い子なんですけど、返しがめちゃくちゃ面白いです、いつもすごいなぁと心で思ってます。
大好評!ネタとアドバイスのコーナー
先輩の四天王さん、同世代ユニットライブの仲間であるワンドール、あと大人の事情で名前は書けない(本当は書きたい)仲良し後輩漫才師の3組をゲストに迎えて、D.F.B開幕です。
1本目「レストランの店長」
まーぶん1本目のネタは「とものぼがレストランの店長をやる」というネタ。慣れないコント漫才に挑戦したまーぶんに対して、普段からコントをメインでやっている四天王さんからアドバイスがあった。
ネタの中に”入れ墨”を使うボケがあったけど、グレーだからあんまりやらない方がいいかな。「あえてグレーなところ攻めます」っていうタイプでもないと思うし。それよりだったら〇〇を使って〇〇したほうが他のボケも活きるかも。
まじめに語りすぎて照れくさくなったのか、相方のジェットさんに話を振る卓也さん
一応このおじさんにも聞いとく?
えー、とものぼ!ボケはもっと自信を持ったほうがいいと思う!不安そうにやってるとボケが軽く見られるから。「おれは面白いボケをやってるんだ」って自覚をもってやったほうがもっと面白くなると思うよ!
実はライブが始まる前にとものぼは、「コント漫才を普段やらないのですごく不安」と言っていました。完全に見抜かれていましたね。ジェットさんさすがっす。
2本目「執事」
まーぶん2本目は「とものぼが売れたらぶんたを執事に雇いたい」というネタ。ここではぶんたが「溜めてツッコんだ割には期待してたよりウケなかった」という悩みで相談します。それについて、四天王卓也さんのアドバイスが光ってました。
ぶんちゃんさ、2個目を1個目で言うクセあるよね。一番最初の「ぶんたやらない?」ってところあるじゃん。それに対して「聞いたことねえよ」ってツッコむんだけど、やっぱハマんないんだよ。ひとつめは「おれがやんの?」とか。ワンクッション挟んでから「聞いたことねえよ」なら。笑いを取りこぼしてるからもったいないなって。
2個目を1個目にやるクセ…!響きます…。
あと、ボケを単発で終わらせるのがもったいないなって思った。例えばひとつのボケで笑いが取れたら、それに関連するようなボケを入れればもっと笑いが取れる。光るボケがたっくさんあったから、尚更ね。
ジェットさんからもどうぞ。
…もっと自信をもってやったほうがいい!
ジェットさんは1回目で全部出しきったようでした。
3本目「ドライブデート」
3本目は「ドライブデート」のネタ。後ろで見てるゲストのみなさんもゲラゲラ笑ってたし、会場も今日一番盛り上がっていました。おもしろかったからこそ、アドバイスも一歩先に進みます。
あと、中盤でオートバックス着いて「屋根直してほしいんですけど」って店員に言うところあるじゃん。あそこシンプルに「屋根ください」でいいと思う。
うおぉ!!!やばっ!!すごいです!
的確なアドバイスにぶんた大興奮。後日行われたときせまる最終回でさっそくこのネタをやっていたのだけど、ボケがアップデートされていた。吸収と成長の早さは比例する。とっても良いなと思いました。
4本目「沈黙」
主役のまーぶんのネタが今日イチでウケて、会場も最高潮に盛り上がってきた。ここで登場するのがゲストの大トリ四天王さん。このネタが、まーーーおもしろかった。さっきまーぶんが生み出したピークを軽々と超えていった。正直、このあとネタをやるまーぶんがかわいそうになるくらいウケてしまっていた。
そして、まーぶん4本目のネタが、よりによって沈黙を楽しむ系の設定で。タイミングが悪かったような気はする。言ってしまえば、この日いちばんお客さんの反応が薄かった。
<4本目のネタに対して出たゲストからのアドバイス>
・もっとボケがバカでいい
・カッコイイは武器。素直に使っていい
・ツッコミの強弱がほしい
・ぶんたさんのツッコミが怖い
・「あなた」呼びがキレてツッコんでるとき「おまえ」になってて怖かった
アドバイスの中で目立ったのが、ぶんたのツッコミに対して「怖い」という意見。本気で怒ってるように見えるのが悩みだ、と本人も吐露していた。
ネタであっても、そう見られたらそれまでだからね。性格に合ってる方がいいよ。ぶんたはどういう人(ニン)なの?
それが、まだ見つかってないんですよ。ぼくらが新ネタライブをやってる理由のひとつが『人(ニン)』を見つけることなんです。
漫才のなかで関係性はどうしたいの?
負けるのが理想かなと思ってます。
普段はどうなの?負けてる?
負けてないです。
とものぼさんはどうです?ぶんたさんに負けてると思います?
全然。
難しいよね、漫才って。人(ニン)だから。もしかしたら、ぶんちゃんは負けることで人(ニン)が出る人じゃないのかもしれないね。だから、無理に負ける設定にしないほうがいいかも。二人の関係に逆らわず、身近に見えるところから探していくのが一番いいと思うよ。
超重要な漫才の要素・人(ニン)
その人にしかできない、そのコンビでしか生み出せない笑いをつくるために必要不可欠な要素、人(ニン)。「みんな違ってみんないい」なんて言葉があるけど、本当にその通りだなぁと。
ネタがニンを際立たせて、ニンがネタの面白さを加速させる。
そんな漫才師たちがM-1を勝ち進んでいくのかなと思いました。
ぶんたはニンを見つけられずに悩んでいたけど、無いことはありえない。だって、D.F.Bにはいつもたくさんのお客さんが来ているから。ニンが無いやつに、こんなにファンはつかないですよ。
あとは、いかに早く、M-1予選が始まるまでにニンを見つけてネタに落とし込めるか。8月なんてあっという間にやってきますからね。
いつぞや「D.F.Bはまーぶんのツアー」と表現したけど、ケミストリー風に言うのであれば「D.F.B Marbun Tour〜ニンを探してた〜」になるのでしょうか。すみません言いたかっただけです。堪忍!
最後に、ライブ後のふたりに聞いた今日の感想で締めたいと思います。来月の15日も楽しみですね!それではまた。
ライブを終えて
早瀬
「かなり緊張して、本番何箇所かフリのセリフを飛ばしたりと反省が残りますが、臆せずチャレンジしてよかったと思いました!本番前よりも晴々とした気持ちになりました!漫才コントという可能性を広げながら、今後も人(ニン)を見つめ直し続けたいです!」
ぶんた
「今回自分の中で「漫才コント」をテーマに挑んだのですが、想像以上に好評で、やって良かったと思いました。初めてやる上で「レストラン」「ドライブデート」のようなベタ中のベタを題材に作ってみたのですが、卓也さんも褒めてくれて。前回は主にネタの構成にアドバイスをしていただける事が多かったのですが、今回は直接のボケ案だったり、ネタをより面白くするための技術や、自分のツッコミのワードなど、よりネタのウケに直結するアドバイスを沢山いただけて本当に勉強になりました。ゲストの皆様、お客様、本当にありがとうございました!!」